宅建のリスキリング|働く人が学び直すメリット・仕事への活用と、給付金を使える講座の選び方

この記事の結論:宅建のリスキリングは「仕事のどこに使うか」を決めてから、続けられる講座を選ぶ
宅建(宅地建物取引士)は、日本国内に住んでいれば年齢・学歴に関係なく受験でき、働きながらでも目指せる国家資格です。宅地建物取引業者(不動産の売買・仲介などをする会社)では事務所ごとに従業者5人に1人以上の専任の宅建士を置くことが法律で決まっていて、重要事項の説明は宅建士が行うことも法律で決まっています。このため、宅建業で働く人や不動産業界への転職を考える人のリスキリングの候補になり、住宅・金融・建設などの仕事でも取引の法律・税・権利関係の知識として生かせます。
ただし、合格しただけでは宅建士として働けません。都道府県での登録(実務経験2年以上か登録実務講習の修了などが必要)と、宅建士証の交付を受けてから、重要事項の説明などができるようになります。個人が副業で不動産の仲介を始めるには、宅建士の資格とは別に宅地建物取引業の免許が必要です。まず、本業・転職・副業のどれに使うかを決めてください。
講座は、働きながら続けられるかで選びます。大事な点は3つです。
・給付金を使う場合、支給は「試験の合格」ではなく「講座の修了」が条件です。出席率・確認テスト・修了試験などの修了の条件を、仕事の予定と照らして確かめます
・夜や土日しか時間が取れない人は、授業の時間帯・録画・質問・必須の通学日を分けて確かめます。Web講座でも、給付を使うなら指定日に来校が必要な講座があります
・受講料の支援の対象は、学校単位ではなく講座(コース・プラン)ごとに決まります。同じスクールでも、対象外のプランや、開講月ごとに指定番号が違う講座があります
受講料を軽くする支援は、主に厚生労働省の教育訓練給付金です。宅建の講座の多くは「一般教育訓練」の指定で、雇用保険の加入期間などの受給要件を満たす人が、修了後にハローワークへ申請すると、支払った受講料(教育訓練経費)の20%(上限10万円)が支給されます。受講前のハローワークでの手続きはありません。数は少ないものの「特定一般教育訓練」の宅建講座もあり、こちらは40%(上限20万円)が基本で、受講開始の前にハローワークでの手続きが必要です。住んでいる自治体の支援も確かめてください。経済産業省の補助事業は、雇用主が変わる転職を目指す人向けの期限のある制度(よくある質問では個人への支援は2027年3月31日まで。延長の扱いは後の節)なので、後の節で別に説明します。
この記事では、宅建を学び直す意味と仕事への活用を法律と試験の公式情報で整理したうえで、宅建の講座を出している主な提供者の公式ページで、修了の条件・学び方・給付の区分・指定番号・料金を確認し、確認日つきで比べます(2026年10月26日確認)。スクールの合格率や受講者の声は扱いません。
宅建を学び直すメリットと仕事への活用:資格の役割と、合格後に必要なこと
宅建士の仕事と、不動産会社での位置づけは法律で決まっています(宅地建物取引業法、e-Govで2026年10月26日確認)。
| 法律で決まっていること | 内容 |
|---|---|
| 専任の宅建士の設置(第31条の3、施行規則第15条の5の3) | 宅地建物取引業者は、事務所ごとに、業務に従事する人の5分の1以上の割合で、成年者である専任の宅建士を置かなければならない |
| 重要事項の説明(第35条) | 契約が成立するまでに、宅建士が書面を交付して説明する |
| 契約の書面(第37条) | 交付する書面に、宅建士が記名する |
| 宅地建物取引業の免許(第3条) | 宅地建物取引業を営むには、国土交通大臣か都道府県知事の免許が必要 |
試験と合格後の流れ(不動産適正取引推進機構、2026年10月26日確認)
・試験は毎年1回、10月の第3日曜日。日本国内に住んでいれば、年齢・学歴などに関係なく誰でも受験できます。50問・四肢択一で、受験手数料は8,200円です
・令和7年度(2025年度)は、受験者245,462人のうち合格者45,821人(合格率18.7%)、合格基準点は50問中33点でした
・宅建業に従事している人(従業者証明書を持つ人)は、登録講習を修了すると、修了試験の合格から3年以内の試験で5問が免除されます。一般の人は受講できません
・合格後に宅建士として働くには、試験を受けた都道府県での資格登録が必要です。登録の要件は宅建業の実務経験2年以上などで、実務経験が2年に満たない人は、登録実務講習を修了すると要件を満たせます(欠格要件に当たらないことも必要)
・登録の後、宅建士証の交付を受けます。宅建士証の有効期間は5年で、交付の申請前6か月以内に都道府県知事が指定する講習(法定講習)を受けます(試験の合格から1年以内に交付を受ける人などを除く。宅地建物取引業法第22条の2)
学ぶ目的別に見た意味(編集部の整理)
・本業:不動産の売買・賃貸・管理、住宅・建設、金融(不動産担保の融資など)で働く人は、取引の法律・税・権利関係を体系的に学べます。宅建業者で重要事項の説明や契約書面の記名をするには、宅建士として登録し宅建士証を持つ必要があります
・転職:宅建業者には宅建士の設置の義務があるため、宅建士の資格は宅建業の仕事と直接つながります。転職を目指す場合は、合格後の登録(実務経験か登録実務講習)までの期間も計画に入れます。求人から逆算する講座の選び方はリスキリングで転職するにはで説明しています
・副業:資格だけで個人が不動産の仲介を始めることはできません(宅建業の免許が別に必要)。副業として宅建業者で働く場合は、今の勤務先と働く先の規則を確認してください。副業に向けた講座の選び方は副業・フリーランスに活かせるリスキリング講座の選び方にまとめています
・収入や採用が良くなるかは、勤務先や地域で違い、公式の統計で一律には言えないため、この記事では書きません
すでに不動産業界で働く人の学び直し(業界の協議会)
不動産業界では、2025年9月に国土交通省と不動産業界6団体が「宅地建物取引業リスキリング協議会」をつくり、11月を「リスキリング推進月間」としています(事務局の不動産流通推進センターのページ、2026年10月26日確認)。協議会のページに載っている事務局(不動産流通推進センター)の理事長のインタビューは、5年に1度の法定講習だけでは法改正に追いつきにくいことや、DXへの対応を、学び直しが必要な理由に挙げています。この記事は、これから宅建を取る人の講座選びが中心です。すでに宅建士の人の研修は、所属する業界団体の案内を確認してください。
宅建を学ぶ目的で、使える給付金・補助金が変わる
| 学ぶ目的 | 教育訓練給付金(一般・特定一般) | 経産省事業 |
|---|---|---|
| 今の仕事(不動産・金融・建設など)に生かす | 候補になる | 対象外(雇用主が変わる転職が目的の人だけ) |
| 不動産会社などへの転職 | 候補になる | 候補になる(補助事業者の講座だけ。期限あり) |
| 副業の準備 | 公式に記載なし(受給要件に学ぶ目的の定めはない) | 副業だけが目的なら対象外 |
・教育訓練給付金は、正社員かどうかではなく、雇用保険に入っているかと加入期間で決まります。受講開始日に雇用保険の加入期間が3年以上(初めて受給する人は1年以上)あることが条件です。離職した人は、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内であることも必要です。受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金を受けた人は対象外です
・経産省事業は、サービスへの登録時と初回面談時に在職していて、雇用主が変わる転職を目指す人が対象です。補助は個人ではなく補助事業者に出て、受講料が軽くなる仕組みです
・2つの制度は同じ講座で併用できません。経産省事業のよくある質問は、個人は「国が支出する趣旨を同じくする他の制度」と併用できないと回答しています(No.148)
パート・派遣・契約社員の人の条件はパート・派遣・契約社員でも使える?学び直しの補助・給付制度、自治体やひとり親向けの支援を含めた全体像は働く人が使える学び直しの補助・給付制度の比較で確認できます。
制度ごとの給付率・戻る時期・受講前の手続き
| 比べる点 | 一般教育訓練 | 特定一般教育訓練 | 経産省事業 |
|---|---|---|---|
| 基本の率 | 20%(上限10万円) | 40%(上限20万円) | 受講費用(税別)の2分の1(上限40万円)相当を補助事業者に補助 |
| 条件付きの追加 | なし | 資格取得などの条件で合計50%(上限25万円)※1 | 職業紹介などで転職し1年働くと5分の1(上限16万円)※2 |
| 受講前の手続き | なし | 受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格の確認※3 | 補助事業者に登録し、キャリア相談 |
| 戻る時期 | 修了日の翌日から1か月以内に本人が申請 | 同じ(追加分は別に申請) | 補助事業者ごとに違う |
※1 講座が目標とする資格を取得するなどして、修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合、または在職したまま資格を取得するなどした場合。追加分は資格取得・就職の後に別に申請します
※2 補助事業の職業紹介などで転職し、1年続けて働いた場合。補助は補助事業者に出て、受講料が軽くなる仕組みです(修了時に返金する方法など、補助事業者ごとに違います)
※3 その前に、訓練前キャリアコンサルティングを受けてジョブ・カードの交付を受けます
・支給額が4千円を超えない場合は支給されません。宅建の講座の多くは受講料が数万円以上なので、20%でもこの条件にかかることはまずありませんが、割引で受講料が大きく下がる場合は計算してください
・給付の計算のもとになるのは、受講者が実際に支払った教育訓練経費です。LEC・アガルートの案内では、割引が適用された場合は割引後の価格が教育訓練経費になります。LECは、LEC以外で買った必須テキストは教育訓練経費に含めないと案内しています
・特定一般の「2週間前まで」は国(ハローワーク)の期限で、受講開始日から数えます。提供者が独自に締切を案内している講座もあり、提供者のページで講座の開始日の書き方が食い違う例もあります(後で紹介するKENビジネススクールの2026年度の案内)。受講開始日がいつになるかを提供者に確かめ、国の期限と提供者の締切の早い方に合わせてください
・申請から支給までの日数は、国・ハローワークの案内に目安の記載がありません
3つの区分の受給要件の詳細は教育訓練給付金の給付率と上限額にまとめています。
宅建のリスキリングに使える講座の比較:給付の区分・料金・戻る額(2026年10月26日確認)
主な提供者の公式ページで、教育訓練給付金の対象と書かれている宅建講座の例です。料金は各提供者の表記のまま(税込かどうかが書かれていないものはそのまま)で、20%(特定一般は40%)の金額は当サイトで計算したものです。講座名のリンク先は当サイトの講座ページで、指定の出典と確認日を載せています(講座ページの料金は2026年10月23日の確認時点のため、この表と違う場合はこの表が新しい値です)。
| 講座(提供者) | 区分 | 料金 | 戻る額の目安 | 期間・学び方 |
|---|---|---|---|---|
| 宅建プレミアム合格フルコース 通学+(Web+音声DL)(LEC) | 一般 | 192,500円 | 38,500円 | 7〜11か月・通学+Web |
| 宅建プレミアム合格フルコース(Web+音声DL)(LEC) | 一般 | 181,500円 | 36,300円 | 10か月・通信(Web) |
| 宅地建物取引士総合本科生SPlus Web通信講座(TAC) | 一般 | 198,000円 | 39,600円 | 通信(Web) |
| 宅地建物取引士総合本科生 4月開講(TAC) | 一般 | 154,000円 | 30,800円 | 通学 |
| 宅地建物取引士 バリューセット1(フォーサイト) | 一般 | 59,800円 | 11,960円 | 試験前日まで・通信 |
| 宅地建物取引士 入門カリキュラム(フル)(アガルート) | 一般 | 107,800円 | 約2万円 | 12か月・オンライン |
| 宅地建物取引士(宅建士)講座(ユーキャン) | 一般 | 64,000円 | 12,800円 | 標準6か月・通信 |
| 宅地建物取引士取得講座「ALLパック」(KENビジネススクール) | 特定一般 | 155,100円 | 62,040円(40%) | 通学またはZoom |
表の補足(指定番号・料金の条件。提供者の記載)
・LEC プレミアム合格フルコース(通学):開講月ごとに指定番号が違います(2026年12月17日〜2027年1月16日開講のクラスは1320003-1620042-3)。期間は開講月により7〜11か月
・LEC プレミアム合格フルコース(Web):1320003-9910172-7。給付制度を使うWebクラスの受付は2027年3月末まで
・TAC:料金は通常受講料。給付の案内の指定番号の表記は、SPlus Web通信講座が16201128、総合本科生が4月開講22201827・5月開講22201920。期間は給付の案内に記載なし
・フォーサイト:59,800円は税込・送料別、11,960円は提供者の表示。指定番号は公式ページに記載なし。受講期間は2027年度の本試験の前日まで(eラーニング)
・アガルート:1322058-2520032-2。107,800円は税込で、給付の案内の教育訓練経費は98,000円(税抜)。戻る額は19,600円〜21,560円(どちらの額が対象かは提供者に確認)
・ユーキャン:64,000円は一括払い・税込。指定番号は公式ページに記載なし。通信(添削・動画講義)
・KENビジネススクール:1322027-2410013-1(通学とZoom受講の場合)。155,100円はセット割引受講料、62,040円は提供者の表示。2026年度の講座期間は4月22日〜10月17日で、2027年度の日程は未掲載
確認できたほかの点(提供者の記載)
・LECは2027年合格目標の講座に入れ替わっていて、宅建ウルトラ合格フルコースなど一部の講座は教育訓練経費が「未定」でした。申し込む前に金額が決まっているかを確かめてください
・TACの給付の案内は、指定番号を「(22201827)」のように8桁で表記しています。当サイトの講座ページでは、厚生労働省の指定講座一覧の形(例:1320007-2220182-7)で載せています
・日建学院の給付の対象は直営校だけで、認定校・公認スクールなどの提携校では実施していません。直営校でも給付制度を実施していない校があるため、事前に問い合わせるよう案内しています(2026年4月1日現在の案内)
・スタディングの教育訓練給付の対象講座の一覧に、宅建士の講座は載っていませんでした
・アガルートの案内では、合格特典は一般教育訓練給付金と併用できません。フォーサイトのバリューセット1の案内では、全額返金保証制度と給付制度は併用できません。ほかの提供者の特典との関係は、申し込む前に提供者に確認してください
当サイトに掲載している宅建の講座は、講座検索で「宅建」と入力すると一覧できます。
講座の選び方:働きながら続けられるか(時間帯・録画・質問・必須の通学日)
夜や土日しか学べない人は、「夜間対応」のような一言ではなく、次の4つを分けて確かめてください。修了できないと給付は受けられないため、修了の条件も同じ表に入れています。公式ページで見つからなかったものは「記載なし」としています。
| 提供者 | ①夜間・土日の授業 | ②録画 | ③質問 | ④必須の通学日・修了の条件 |
|---|---|---|---|---|
| LEC(通学+Web) | 時間帯は記載なし | Web+音声DL | 記載なし | 出席80%以上と確認テスト70%以上。半分以上は校舎で受講 |
| LEC(通信) | 授業なし | Web+音声DL | 記載なし | 通学なし。添削80%以上と確認テスト70%以上 |
| TAC | 時間帯は記載なし | Web通信あり | 記載なし | 修了試験60%以上と、出席率(通学)か答案提出率(通信)80%以上 |
| フォーサイト | ライブ配信あり | eラーニング | 回数の制限なし | 通学なし。確認テストを全回80点以上 |
| アガルート | 記載なし | オンライン動画 | 受講期間中30回まで | 通学なし。修了の条件は記載なし |
| ユーキャン | 授業なし | 動画講義 | 1日3問まで | 通学なし。修了の条件は記載なし |
| 日建学院(Web・通信) | 記載なし | Web講義 | 記載なし | 来校のスクーリングが必須。Webは70%以上の視聴と修了試験55%以上 |
| KEN(特定一般) | 19時〜22時(通学かZoom) | アーカイブを後日視聴 | 記載なし | 修了の条件は記載なし |
表の補足(提供者の記載)
・LEC(通学+Web):全講義回数の80%以上の出席が必要で、そのうち全講義回数の50%以上は生講義・ビデオ・Webブース(校舎)で受ける必要があります。通学クラスの時間帯は給付の案内に記載がなく、日程は提供者の案内で確認します
・TAC:通学・オンラインライブの時間帯は給付の案内に記載がなく、日程表を参照するよう案内しています
・フォーサイト:ライブ配信(eライブスタディ)の曜日・時間、質問の方法・受付時間は記載なし。質問の回数の制限がないのはバリューセット
・アガルート:ライブ授業の記載なし。質問はオンライン質問サービスで受講期間中30回まで
・ユーキャン:給付の修了の条件は今回確認したページに記載なし(添削7回)
・日建学院:Web・通信でも、来校のスクーリング(公開模擬など)に指定日時に出席が必要です。Web講義は倍速で視聴した時間を修了の時間に数えません
・KENビジネススクール:講義は通学またはZoomで、アーカイブを後日Webで視聴できます。講座の期間と曜日は年度の案内で確認します(2027年度は未掲載)
選び方の目安(編集部の整理)
・平日の夜に決まった時間を取れる人:通学やZoomのライブ授業は、決まった時間に学ぶ習慣が作れます。欠席したときに録画やWeb補講で出席扱いになるか、上限があるか(LECは通学の講座で半分以上は校舎での受講が必要)を確かめてください
・仕事の時間が読めない人:通信・Webの講座が合います。ただし給付を使う場合、Web講座でも来校のスクーリングが必須の講座(日建学院)や、受講期間内に確認テストの点数をそろえる必要がある講座(フォーサイト)があります
・質問の多さで選ぶ人:回数の制限(アガルートは30回、ユーキャンは1日3問)と、回答を受け付ける時間帯は別の項目です。時間帯は今回確認したページに記載がありませんでした
費用や受講形態など、講座を申し込む前の確認項目は失敗しないリスキリング講座の選び方のチェックポイントも使えます。
戻る額と支払いの流れ:3つの例
例1:LEC 宅建プレミアム合格フルコース(Web+音声DL)181,500円・一般教育訓練
・LECオンラインショップの給付対象の商品ページから申し込み、「教育訓練給付制度」の選択欄で特典・ポイントの控除の希望を選んで、受講料を支払う(LECの案内)
・修了の条件(添削の提出と確認テスト)を満たす
・修了日の翌日から1か月以内にハローワークへ支給申請 → 受給要件を満たしていれば20%の36,300円が支給される(ポイントや特典で教育訓練経費が差し引かれる場合は、その分少なくなる)
・自己負担の目安は145,200円。支給は修了後の申請の後なので、受講中は全額を自分で負担する前提で準備する
例2:フォーサイト バリューセット1 59,800円・一般教育訓練
・提供者の表示では、修了後(一括払いの場合)11,960円が支給される(受給要件を満たす場合)。自己負担の目安は47,840円
・フォーサイトの案内では、給付は受験の有無・合否に関係なく支給を受けられる(修了の条件は確認テストを全回80点以上)
例3:KENビジネススクール ALLパック 155,100円・特定一般教育訓練
・受講前に、訓練前キャリアコンサルティングと受給資格の確認をハローワークで済ませる。2026年度の提供者の案内は、締切を「講座開始1か月前の4月10日」とする一方、同じページで講座期間を4月22日〜10月17日としていました。4月22日を受講開始日とすると国の期限(2週間前)は4月8日で、4月10日より前になります。どちらが受講開始日かはページから確定できないため、2027年度は申し込む前に受講開始日と締切を提供者とハローワークに確認する
・修了後に申請 → 受給要件を満たしていれば40%の62,040円が支給される(提供者の表示)。自己負担の目安は93,060円
・宅建の資格を取得するなどして、修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合、または在職したまま資格を取得するなどした場合は、合計50%(77,550円)になる。追加分は別に申請する。
いつ申し込むか:試験の日程から逆算する
宅建試験は毎年1回、10月の第3日曜日に行われ、合格発表は原則11月下旬です(不動産適正取引推進機構)。令和8年度(2026年度)の試験は10月18日に終わり、合格発表は11月25日です。2027年度の試験の実施の公告は、原則として毎年6月の第1金曜日です。
| 時期 | すること |
|---|---|
| 申し込む前 | 雇用保険の加入期間が足りるかをハローワークで確かめる(支給要件照会)。講座が給付の対象か、料金が決まっているか(LECの一部の講座は「未定」)を確かめる |
| 特定一般の講座 | 受講開始日の2週間前まで(提供者の締切が早ければそちら)に、キャリアコンサルティングと受給資格の確認を済ませる |
| 受講中 | 修了の条件(出席・添削・確認テスト・スクーリング)を予定に入れる |
| 修了後 | 修了日の翌日から1か月以内に支給申請。試験より前に修了する講座も、試験の日まで続く講座もある |
・申込みの受付期限は講座ごとに違います。LECの給付制度を使うWebクラスの受付は講座により2027年3月末・6月末・7月末まで、アガルートの給付対象講座の販売期間は2027年10月11日まで、と案内されていました
・日建学院は、Web講座の標準の学習期間を十分に確保できない時期の申込みは、給付制度の利用での入学を断る場合があると案内しています。試験の直前に申し込む場合は先に確認してください
経産省の補助事業(転職を目指す人向け・期限あり)を使う場合の注意
経産省事業は、雇用主が変わる転職を目指す人向けの、期限のある補助事業です。今の仕事や副業のために学ぶ人や、期限の後に受講する人は、教育訓練給付金(受給要件を満たす場合。副業目的での利用は公式に記載なし)や、住んでいる自治体の支援があるかを確かめます。
宅建の講座の例:オープンループパートナーズの「宅地建物取引士短期合格講座」は、補助事業者の講座ページで総額57,273円(税込63,000円)、受講修了時の返金額28,636円と案内されています(77時間・3〜5か月、オンライン)。同じページは、補助事業の職業紹介などで転職して1年たったときの返金額を11,455円としています。雇用主が変わる転職を目指す人だけが対象です。
・対象は、在職中で雇用主が変わる転職を目指す人だけです。宅建の講座を出していない補助事業者も多く、例えばユーキャンの経産省事業の対象講座(2026年10月26日確認)に宅建は含まれていません。宅建の講座があるかは補助事業者ごとに確かめます
・経産省事業のよくある質問(2026年4月8日更新)は、個人への支援期間を2027年3月31日までとし、受講期間がこれを超える講座は補助の対象外としています。追加の補助は2027年4月30日までに転職を完了することが条件です
・2026年10月26日、事業の事務局は「事業期間の1年間の延長について」を掲載しました。延長するのは一定の要件を満たした補助事業者の補助事業の期間で、支援を受けた個人の転職後1年間のフォローアップの終期は令和9年度末から令和10年度末に延びるとしています。個人がいつまで申し込めるか・修了の期限の新しい日付は書かれていません。延長の対象になった補助事業者では、上の2027年3月31日・4月30日の期限が変わる可能性があるため、申し込む前にその補助事業者で確かめてください
・講座の修了は宅建試験の合格とは別です。3〜5か月の講座なら試験より前に修了しますが、試験の合格を待たずに修了の条件と転職の手続きが進みます
経産省事業の対象講座の探し方と期限の考え方は、経済産業省の補助金対象リスキリング講座一覧で説明しています。
よくある質問
- 宅建はリスキリングとして意味がありますか?
- 宅建業者には事務所ごとに専任の宅建士を置く義務があり、重要事項の説明は宅建士の仕事です(宅地建物取引業法第31条の3・第35条)。宅建業(売買・仲介など)の仕事や不動産業界への転職とは直接つながり、住宅・金融・建設などの本業では取引の法律・税・権利関係の知識として生かせます。一方、合格後に宅建士として働くには登録と宅建士証が必要で、個人が副業で仲介を始めるには宅建業の免許が別に必要です。何に使うかを決めてから講座を選んでください。
- 登録講習(5問免除)は誰でも受けられますか?
- いいえ。不動産適正取引推進機構の案内では、宅建業に従事していて従業者証明書を持つ人だけが受講できます。一般の人は受講できません。
- 合格したら、すぐに宅建士として働けますか?
- 試験を受けた都道府県での資格登録(宅建業の実務経験2年以上か、登録実務講習の修了などが必要)と、宅建士証の交付を受けてからです。
- 宅建の講座なら、どれでも教育訓練給付金の対象ですか?
- いいえ。講座(コース・プラン)ごとに厚生労働大臣の指定を受けたものだけが対象です。同じスクールでも、対象外のプランや、日建学院のように直営校だけが対象(直営校でも実施していない校がある)の場合があります。申し込む前に、提供者の案内か厚生労働省の教育訓練講座検索システムで、受講する講座と開講月が対象かを確かめてください。
- 宅建試験に合格しないと、給付金は戻りませんか?
- 一般教育訓練は、試験の合格ではなく講座の修了が条件です。フォーサイトの案内でも、給付は受験の有無・合否に関係なく受けられるとしています。特定一般教育訓練の追加分(合計50%)は、資格の取得などが条件です。
- 副業のために宅建を学ぶ場合も使えますか?
- 教育訓練給付金の受給要件に学ぶ目的の定めはなく、副業での利用の可否は公式に記載がありません。受講前にハローワークで確認してください。経産省事業は雇用主が変わる転職を目指す人が対象で、副業だけが目的なら使えません。
- 合格特典や全額返金保証と、給付金は両方使えますか?
- 提供者ごとに違います。アガルートは合格特典と一般教育訓練給付金を、フォーサイトは全額返金保証制度と給付制度を、それぞれ併用できないと案内しています。LECは、ポイント(GO!GO!ポイント)や給付対象講座の特典として受け取るテキスト・金券なども教育訓練経費から差し引くと案内しています。ほかの提供者の特典や返金保証の条件は、申し込む前に提供者に確認してください。
- 前に別の講座で教育訓練給付金を受けました。また使えますか?
- 受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金を受けた場合は支給されません。過去に受給した人は、加入期間を3年以上で数える条件になります。加入期間は住所を管轄するハローワークで照会できます。
公式情報と講座情報の確認先
制度(2026年10月26日確認)
・ハローワーク「教育訓練給付制度」:3つの区分の給付率と上限、受給要件、受講前の手続き、支給申請の期限、4千円の条件
・厚生労働省「教育訓練講座検索システム」:指定講座の区分と指定期間の検索
・経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の個人向けページ:対象者、補助の率と上限
・同事業の事業者向けページの「FAQ(よくあるご質問)」(2026年4月8日更新、No.36・91・148)と「事業期間の1年間の延長について」(2026年10月26日掲載)
・不動産適正取引推進機構「宅建試験」、試験の概要、試験実施概況(令和7年度以前の10年間、PDF)、登録講習、登録手続の概要:試験日、合格発表、受験資格、受験手数料(8,200円)、受験者数と合格者数、5問免除、資格登録の要件
・e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」:第3条(免許)、第22条の2(宅建士証・法定講習)、第31条の3(専任の宅建士の設置)、第35条(重要事項の説明)、第37条(書面への記名)。設置の数は施行規則第15条の5の3
・不動産流通推進センター「宅地建物取引業リスキリング協議会」:協議会の発足とリスキリング推進月間
講座(いずれも提供者の公式ページ、2026年10月26日確認)
・LEC「宅地建物取引士の対象講座」、お申込から受給までの流れ、通学講座の出席の扱い
・TAC「教育訓練給付制度 宅建」
・フォーサイト「教育訓練給付制度」、バリューセット1のページ、宅建士講座のページ
・アガルート「宅建の教育訓練給付制度対象講座」と入門カリキュラムのページ
・ユーキャン「宅建士講座 費用」とユーキャンのリスキリング制度(経産省事業)
・KENビジネススクール「宅地建物取引士取得講座(特定一般教育訓練講座)」と基本講座の案内
・日建学院「一般教育訓練給付制度のご案内」
・オープンループパートナーズ「宅地建物取引士短期合格講座」(経産省事業)
不動産の仕事の経験をテクノロジーの分野で生かす道は、不動産職からプロップテックへの転換ガイドで紹介しています。
今日できること:宅建を何に使うか(本業・転職・副業)を1行で書き、気になる宅建講座の公式ページで、指定番号・給付の計算のもとになる額・修了の条件・必須の通学日の4つを書き出してみてください。